2011-01-01から1年間の記事一覧
神戸大学大学院博士後期課程 西村英津子 「竜潭譚」(明治二九年)は、主人公「ちさと」の幼児体験を通して、前近代の民衆の精神世界が国家に回収されていく様相と、回収しきれない(されない)精神世界があることを示す物語だと私は考えている。そして、本…
神戸大学大学院博士後期課程 魯恵英文学通史から曲亭馬琴の読本や為永春水の人情本などは江戸文学の最後に位置し、坪内逍遥の『小説神髄』『当世書生気質』や二葉亭四迷の『小説総論』は近代文学の出発点として紹介される。両者の断絶によりその狭間に位置す…
プール学院大学 西尾宣明 庄野潤三は、敗戦後の一九四六年五月、神戸在住の島尾敏雄を中心とする同人誌「光燿」に参加し、文学的活動をはじめた。そののち、「VIKING」にも参加し、一九五〇年には、富士正晴に、島尾のあとの「VIKING」の主要作…
暑中お見舞い申し上げます。阪神近代文学会では、2011年度冬季大会(第42回大会)を12月17日(土)に神戸大学で開催する予定です。 つきましては、大会での発表者を募集致しますので、奮ってご応募下さい。 本学会では若い研究者育成を大きな目的にしております…
次回大会は12月17日(土)を予定しております。
泉鏡花「貧民倶楽部」考 脱二元論へのアプローチ 安藤 香苗 森鴎外『青年』論 「芸術と生活」の理想に生きる青年像の提示 上野 芳喜夏目漱石における<天> 止揚される近代的自我 佐藤 良太<満洲文学>のある一面について 長谷川濬の「蘇る花束」における<…
田山花袋『少女病』論 病の態様 関西学院大学大学院大学院博士前期課程 山本歩 田山花袋の短編作品『少女病』(明治四十年五月)はこれまで主に、自然主義への本格的出発となる『蒲団』(同年九月)を頂点とした評価の中で、前史的作品として論じられてきた…
三島由紀夫『煙草』研究 異稿との違いにおける一考察 大阪府立長野北高等学校 井迫洋一郎 三島由紀夫『煙草』は昭和二十一年「人間」六月号に発表され、三島曰く《第三の処女作》と自ら位置付ける位となった、三島の作品を論じる上で重要な作品の一つである…
縦断する文化・変貌する阪神 小川洋子「ミーナの行進」考 神戸海星女子学院大学 箕野聡子 「ミーナの行進」(「読売新聞」平成一七年二月一二日〜一二月二四日)は、小川洋子が初めて実在の街を舞台にした小説である。小川は「文化薫る阪神」(「朝日新聞 別…
きたる7月2日(土)13:00〜 第41回阪神近代文学会夏季大会を関西学院大学(F号館102教室)にて開催致します。 皆様の参加を心よりお持ちしております。 田山花袋『少女病』論 病の態様 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20110606/p1 関西学院…
この度は、東日本大地震で被災されました皆様、ご関係の皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。 さて、阪神近代文学会では、2011年夏季大会(第41回大会)を7月2日(土)に関西学院大学(西宮市上ヶ原)で開催する予定です。つきましては、大会での発表…