2010-09-02から1日間の記事一覧

第29回(2005.7.2) 関西学院大学

一九二一年「絵画の約束論争」 白樺美術展にみる<自己の為の芸術>をめぐって 大手前大学大学院博士課程後期課程 吉本弥生覚醒・形象された「個」と生成・湧出した「私」 田山花袋「蒲団」の成立に見る 神戸学院大学非常勤講師 高橋博美<新>芸術への試み …

第30回(2005.12.10) 甲南大学

永井荷風と追憶文学の流行 甲南大学大学院博士課程後期課程 権堂愛順遠藤周作『海と毒薬』論 その構成と評価との乖離 関西大学大学院博士課程後期課程 田中葵芥川龍之介<開化期物>の意義 リアリズムへの転換・その前後 関西学院大学大学院研究員 足立直子

第31回(2006.7.8) 甲南女子大学

田村俊子論 「生血」のヒロインが金魚を突き刺すことの意味 神戸大学大学院博士課程 高田晴美太宰治『正義と微笑』論 <進>像の変貌とキリスト教との関連を中心に 関西学院大学大学院研究員 洪明嬉漱石『明暗』について 出自からの脱出 大阪樟蔭女子大学 仲…

第32回(2006.12.9) 神戸海星女子学院大学

織田作之助『世相』 関西大学大学院博士課程後期課程 三谷修夏目漱石『坑夫』論 彷徨する「自分」が出会っていくもの 関西学院大学大学院研究員 上總朋子石牟礼道子「『苦海浄土』三部作」試論 エコクリティシズムの視座から 甲南大学非常勤講師 澤田由紀子

第33回(2007.7.7) 神戸大学

王の法と語る身体 太宰治「走れメロス」論 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p43 大阪府立大学大学院博士課程前期課程 勝田真由子西南戦争期の言語状況 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p44 神戸大学大学院博…

第34回(2007.12.8) 甲南大学

夏目漱石「三四郎」論 〈迷える羊〉への自覚 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p46 関西大学大学院博士後期課程 岡本直茂鴎外『阿部一族』論 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p47 近代文芸研究者 上野芳喜阪神…

第35回(2008.7.5) 甲南女子大学

金時鐘『日本風土記』論 〈残存〉する記憶 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p49 大阪府立大学大学院博士後期課程 浅見洋子太宰治『竹青』論 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p50 大阪大谷大学大学院博士後期…

第36回(2008.12.13) 関西大学

津村節子『さい果て』論 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p52 関西大学大学院博士修士課程 岩田陽子沖野岩三郎 小説『宿命』 「懸賞文芸募集」から新聞連載に至る経緯を中心として 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/201…

第37回(2009.7.4) 関西学院大学

『李陵』論 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p55 大阪大谷大学大学院博士後期課程 金蓮花久坂葉子「落ちてゆく世界」論 〈戦後〉の家庭をめぐって 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p56 関西学院大学大学院博…

第38回(2009.12.12) 神戸海星女子学院大学

夏目漱石における〈罪〉 償却されない〈罪〉の淵源をめぐって 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p58 佛教大学大学院国文学専攻研究員 佐藤良太福永武彦「海市」論 過去を再構築する意味 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai…

第39回(2010.7.3) 常磐会学園大学

川端康成『雪国』 初出雑誌発表の伏字について 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/20100902/p61 関西大学大学院 ピレハディ・バハレイ満洲文学のある一面 長谷川濬の『蘇へる花束』を視座として 発表要旨 http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/2…

王の法と語る身体 太宰治「走れメロス」論

王の法と語る身体−太宰治 「走れメロス」論 大阪府立大学大学院博士前期課程二年 勝田真由子 昭和一二年のシナ事変からノモンハン事件、日独伊三国同盟と、急速に日本の軍事体制が激化していった昭和一五年。太宰治の「走れメロス」が『新潮』五月号に発表さ…

西南戦争期の言語状況

西南戦争期の言語状況 神戸大学大学院博士課程 松原真 従来、国内最大にして最後の士族反乱である明治十年の西南戦争は、新聞購読者数の飛躍的増加と、正確な報道を目指す機関への成長という点において、近代的ジャーナリズムの発展に大きく関与したと言われ…

内田百輭「東京日記」論 日常的怪異空間としての東京

内田百輭「東京日記」論 日常的怪異空間としての東京 関西学院大学大学院研究員 吉川望 「東京日記」(昭和十三年一月「改造」)は、作中の地名、事象から昭和十年前後の東京が舞台となっていることが明らかである。このような明確な舞台設定が他の百輭作品…

夏目漱石「三四郎」論  <迷える羊>への自覚

夏目漱石「三四郎」論 <迷える羊>への自覚 関西大学大学院博士後期課程3年 岡本直茂 この発表は、「夏目漱石「三四郎」論ー〈迷える羊〉への自覚」と題し、「三四郎」をそれ以降の作品につながる人生の複雑な問題、時代への批判精神を持ちつつも、青年三…

鴎外『阿部一族』論

鴎外『阿部一族』論 近代文芸研究者 上野芳喜 島原の乱を経て、徳川封建体制の確立期への移行という状況の変化の中で武士社会のあり方も戦国武士の遺風を残しつつ官僚制社会へと移行し、武士のあり方も変質しつつあった。「興津」に見られた封建君主への主命…

阪神近代文学会むかし・いま その機能と意義

阪神近代文学会むかし・いま その機能と意義 甲南大学教授 高阪薫 私は島崎藤村などの自然主義文学や島尾敏雄などの現代文学や、沖縄の祭祀を中心とする民俗学や、その他いろいろやってきた。時に「あなたはなにを研究していますか」と初対面の人、あるいは…

金時鐘『日本風土記』論 〈残存〉する記憶

金時鐘『日本風土記』論 〈残存〉する記憶 大阪府立大学大学院博士後期課程 浅見洋子 金時鐘は、植民地下に教え込まれた日本語を表現手段とする〈在日〉の詩人である。 日本による同化教育によって皇国少年として育った金時鐘は、解放後は反動的に社会主義運…

太宰治『竹青』論

太宰治『竹青』論 大阪大谷大学大学院博士後期課程 金蓮花 日本の作家・太宰治が、中国の清代の作家・蒲松齢の『聊斎志異』「竹青」を原素材に、同名の翻案小説を創作したことは、よく知られている。太宰の創作は、原素材を踏まえながら、原素材から脱した、…

泉鏡花戯曲の方法

泉鏡花戯曲の方法 神戸大学大学院博士課程 安藤香苗 明治・大正・昭和と比較的長期にわたって多くの作品を発表し続けた泉鏡花の作家生活のなかで明治末期から大正期にかけては、戯曲という形式にこだわった時期であるとも言えるだろう。しかし小説「婦系図」…

津村節子『さい果て』論

津村節子『さい果て』論 関西大学大学院博士修士課程 岩田陽子 津村節子の長編小説『さい果て』は昭和四十七年三月二十五日に、筑摩書房から発行された。『さい果て』は津村節子が三十七歳で芥川賞を受賞し、同人作家時代から脱却した重要な時期に執筆された…

沖野岩三郎 小説『宿命』   「懸賞文芸募集」から新聞連載に至る経緯を中心として

沖野岩三郎 小説『宿命』 「懸賞文芸募集」から新聞連載に至る経緯を中心として 関西大学大学院博士課程 福森裕一 沖野岩三郎(明治九年〜昭和三十一年)は、おもに大正期の文壇において、賀川豊彦とともに牧師作家として注目を集めた人物である。しかし現在で…

鴎外『舞姫』論

鴎外『舞姫』論 近代文芸研究者 上野芳喜 ドイツ留学帰朝後、早くも痛切なる青春の挫折を味わった鴎外は無論豊太郎ではない。この時鴎外が味わった傷心の慟哭は豊太郎の「腸九廻の恨」の表現意識につながっていった事は間違いない。ドイツで味わった「市民的…

『李陵』論

『李陵』論 大阪大谷大学大学院博士後期課程 金蓮花 中島敦の代表作として評価されている『李陵』は、昭和十八年七月に「文学界」に発表された作品である。『李陵』における主人公は、李陵と司馬遷二人であると思われる。今回の発表では、李陵と司馬遷二人の…

久坂葉子「落ちてゆく世界」論 〈戦後〉の家庭をめぐって

久坂葉子「落ちてゆく世界」論 〈戦後〉の家庭をめぐって 関西学院大学大学院博士課程後期課程 竹内友美 久坂葉子は島尾敏雄の推挙により「VIKING」の同人となり、昭和二四年一一月一日から同二五年一月二〇日にかけて題名不明(私は、そんな気のきい…

宇野千代「色ざんげ」の成立過程

宇野千代「色ざんげ」の成立過程 関西大学非常勤講師 荒井 真理亜 宇野千代の「色ざんげ」は、「中央公論」の昭和八年九月一日発行(第48年9号)、昭和九年二月一日発行(第49年2号)、昭和九年九月一日発行(第49年10号)、昭和十年三月一日発行(第50年…

夏目漱石における〈罪〉 償却されない〈罪〉の淵源をめぐって

夏目漱石における〈罪〉 償却されない〈罪〉の淵源をめぐって 佛教大学大学院国文学専攻研究員 佐藤 良太 本発表は、漱石作品に表れた〈罪〉の文言に着目し、作品や日記・断片及び書簡の文脈を共時的に精査することを基本に、これまでの研究史における〈罪〉…

福永武彦「海市」論 過去を再構築する意味

福永武彦「海市」論 過去を再構築する意味 大阪府立大学大学院 稲垣 裕子 福永は過去の中に生きる現在を繰り返し描き、作中人物の自己の在り方について問うことをやめない。想起される過去の記憶に立ち会い、語りえぬ過去の記憶を取り戻すこと、それこそが福…

村上春樹「沈黙」について 作品構想と世界像をめぐって

村上春樹「沈黙」について 作品構想と世界像をめぐって 岡山大学大学院教育学研究科 木村 功 村上春樹の「沈黙」(初出『村上春樹全作品1979〜1989』第五巻、一九九一、講談社)には、現在「大幅に手を入れた」(村上春樹)バージョンである『はじめての文学…

川端康成『雪国』 初出雑誌発表の伏字について

川端康成『雪国』 初出雑誌発表の伏字について 関西大学大学院 ピレハディ バハレイ 川端康成の『雪国』は、発表当時、長編小説として読者に提出されたのではない。発表雑誌も、「文藝春秋」「改造」「日本評論」「中央公論」「暁鐘」「小説新潮」と様々であ…